日本の匠~医師編~:第1回 医学博士 後藤 利夫 先生

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実父の大腸ガンを機に大腸ガンの早期発見・治療の重要性を痛感し、「大腸ガン撲滅」を目標に独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法を開発。
全国各地の医療機関で無痛内視鏡検査を実践、後進の指導にあたるかたわら、著作・講演等の啓蒙活動にも熱心である。

独自の無痛大腸内視鏡検査は好評で、遠方から足を運ぶ患者も少なくない。
また「大腸ガン撲滅」のために始めた便秘外来では患者の悩みに親身に対応、その誠実な人柄に信頼も篤い。

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MM: 本日はお忙しい中ありがとうございます。
先生のご経歴について簡単にご質問させてください。まず、医師を目指したきっかけを教えてください。
Dr.後藤: 現役の時は医学ではなく物理学に興味があり、物理の研究者になろうと東京工業大学に入りました。
大学院の入試を控えた時、研究室の中でなく社会の中で人と関わって生きてゆこうと思いなおし東京大学医学部を受けなおしました。
理系バカだったので文化系科目には苦労しましたが運良く医学部再受験をクリアーしました。
MM: 大学時代はどんな生活だったのですか?
Dr.後藤: 大学時代はよく学びよく遊びました。(笑)
MM: 先生が消化器内科(内視鏡科)を選んだ理由は?
Dr.後藤: 家系にがんが多かったのですが、父親が大腸がんになったことがきっかけで消化器内科を目指そうと思いました。
MM: 先生は大腸内視鏡のスペシャリストですが、内視鏡自体についてどのようにお考えですか?
Dr.後藤: 私が現役の間は内視鏡自体活躍する場がさまざまな場面においてあるでしょうが、30年40年先となるとわかりません。現在がん研究は、最先端の研究者によると研究の山場はほぼ越えたと言われております。
もしかしたら、がん治療のゴールは見えかけているのかもしれませんね。
ただ、今の時点では注意してさえいれば(しっかりと検査を受ければ)大腸がん自体を防げるので大腸検査がさらに普及してくれればと思います。
MM: 先生は、大腸内視鏡をはじめてから離島や僻地で診療を長い間ご対応されていましたがその理由をお聞かせ願います。
Dr.後藤: 離島や僻地の方は、医療の面では不幸だと思いますよ。
国に同じ税金を納め、病気になったときにも支払うお金は同じです。
また、同じ病気に罹ったとしても、都会であればその病気の専門の医師に見てもらえるのですから。
ただ、私自身離島や僻地で大腸内視鏡をやり大腸がんが見つかれば、ここまで来て良かったなと。
もしかしたらこの患者さんは、内視鏡をしないでほったらかしだったら死んでたかもしれなかったということがいつもありました。
そういう意味では離島や僻地での診療は自分の技術が人のために役立っていると感じられましたね。
MM: 先生の開発した無痛大腸内視鏡(水浸法)についてお聞きしたいのですが。
Dr.後藤: 大腸内視鏡を多くの人に受けて欲しくて、特に40歳以上の方に。
ただ、当時の大腸内視鏡の評判は悪く、痛いとか怖いとかいうイメージでしたのでそれを変えたかったですね。
そのためには無痛を目指さなければと思いました。
大腸内視鏡時、水を使うやり方はいろんなところでやられていたかもしれませんが、私がいた東大の時代に、とある先輩が空気の変わりに注射器を使って水を入れ始めたんですね。
これがことのほかうまくいって比較的空気を使うより苦痛なく挿入できるようになったのが私にとっての水浸法の始まりです。
ただ注射器を使っていちいち水を入れるのは時間がかかってしまったので、水浸法のポンプ(特許あり)をつくりました。
また、コロンモデル(大腸内視鏡練習機材)を使ってトレーニングができるようにしワンパターンメソッドを開発しました。
そのためには、様々な先生方の本を研究しましたが、結局は最大公約数的なところ、つまりいろいろな先生が考えていた
ことの総意に落ち着きました。
このワンパターンメソッドのいいところは、初心者に教えるのに非常に適していたというところです。
今までの経験から言いますと内視鏡未経験の方もだいたい6ヶ月以内で修得できます。
私自身この方法を考えるに至ったのは、自分がうまくなるというよりは内視鏡医を育てたいという気持ちがあったからです。
MM: 実際に先生を師と仰ぐ方々が多くいらっしゃいますね。
Dr.後藤: そうですね、ありがたいことに。
一応弟子ということになるのですかね。
特に器用だからとかできる人だから大腸内視鏡を教えるとかはないです。
ちゃんと挨拶ができる人・義理のある人であれば指導しています(笑)。
今までに30人程度、あと少なくとも20人は教えたいと思っています。
左端:原田代表、中心:後藤利夫先生、右端:上山代表
左端:原田代表
中心:後藤利夫先生
右端:上山代表
MM: 先生の今後の目標をお聞かせください。
Dr.後藤: 大腸がん撲滅ですが、協力してくれる方がたくさんいればなと思います。
そのためには少しでも水浸法を普及させて多くの人に指導できたらなと思います。
MM: 先生の大腸がん撲滅に対する行動や精神に大変感動致しました。
微力ではありますが弊社も先生が望む医師の方々へ本日の内容をお伝えし続けて社会貢献したいと思います。
本日はお忙しい所、取材させて頂き誠にありがとうございました。

Profile

略歴
1959年生まれ。
1988年東大医学部卒業。
1992年東大病院内科助手。
西新宿胃腸クリニック院長を経て、現在東京西徳洲会病院内視鏡センター長。

著書
「腸をきれいにする特効法101―腸内細菌のバランスが全身の健康を左右する!」(主婦と生活社)
「腸イキイキ健康法―免疫力アップ、便秘、美肌にいちばん効く!」(主婦と生活社)
「その便秘こそ大腸ガンの黄信号―内視鏡検査の権威が証す」(主婦と生活社)

インターネットサイト
「腸いきいき健康法」 http://www.cho-ikiiki.com/
次号のお知らせ 次回の「日本の匠~医師編~」でご紹介させて頂く先生は
後藤利夫先生のご友人である高野良裕先生です。